放課後のハイスト
親子で学ぶクリスマスの歴史 〜なぜクリスマスを祝うの?日本でのクリスマス〜

親子で学ぶクリスマスの歴史 〜なぜクリスマスを祝うの?日本でのクリスマス〜

投稿日: 2024年12月24日
最終更新日: 2024年12月24日
ずいしょうずいしょう

はじめに

寒い冬の夜、クリスマスツリーやたくさんの飾りに彩られ、街の雰囲気が一変する特別な日。
「サンタさんはいつ来るのかな?」とわくわくしながら早めに布団に入ったものの、ワクワクして眠れない。そんな経験のある方も多いのではないでしょうか。

多くの子供たちが誕生日や正月と並んで楽しみにしているクリスマス。
でも、ふと「クリスマスってどうして祝うの?」と子どもたちに聞かれると、意外と答えに困るかもしれません。

今回は、そんなクリスマスの由来や歴史を親子で一緒に学べる内容をお届けします。この記事を読み終えたころには、きっとクリスマスがもっと楽しくなるはずです!

クリスマスツリーの画像

クイズ!クリスマスの歴史を学ぼう!

Q1. クリスマスが日本で初めて祝われたのは何時代でしょう?

  1. 室町時代
  2. 江戸時代
  3. 明治時代

Q2. クリスマスが日本で初めて祝われたのはどこでしょう?

  1. 京都
  2. 長崎
  3. 山口

Q3. クリスマスが12月25日に祝われる理由は何でしょう?

  1. イエス・キリストの誕生日だから
  2. 太陽神の祭りが由来だから
  3. ローマ皇帝が自分の誕生日を祝うように決めたから

答えは記事を読みながら探してみてくださいね!

クリスマスは何を祝う日?

クリスマスは、イエス・キリストの誕生をお祝いする日です。イエス・キリストは、約2000年前に生まれたとされる人物で、キリスト教の始祖 です。キリスト教の信者は世界に約23億人おり、世界最大の宗教なので、こんなに世界中に広がっているんですね。

「クリスマス(Christmas)」という言葉は、「キリスト(Christ)」と「ミサ(Mass)」を合わせたものです。もともとは教会でお祈りをする行事でしたが、時代を経て家族や友人と過ごすイベントとして広まりました。

どうして12月25日なの?

実は、イエス・キリストが本当に12月25日に生まれたかどうかは、はっきりとわかっていません。ローマ時代には1月6日を降誕祭としていた時期もありました。

では、なぜこの日が選ばれたのでしょう?

ミトラ教の祭りとクリスマス

西アジアで古く、太陽神(光明神)をまつる「ミトラ教」という宗教が生まれ、紀元前1世紀〜紀元後3世紀頃にはローマでも流行していました。

12月25日は1年で夜が最も長い 冬至 にあたり、これを境に日がだんだん長くなるため、ミトラ教では太陽が成長を開始する日(=太陽神ミトラの誕生の日)と考えられ、祝日となっていました。

313年にローマ帝国のコンスタンティヌス帝が出したミラノ勅令によってキリスト教が公認され、異教としてミトラ教が排除されていく中で、異教であったミトラ教の大事な日にキリストの降誕祭(=クリスマス)を行うことで、キリスト教の勝利宣言のような意図があったと言われています。

教皇ユリウス1世(在位337-352)の頃にはクリスマスが12月25日に固定され、そこから長くこの日が祝われるようになっていきました。

(ちなみに、毎週の休日である日曜日が英語で Sunday なのは太陽を大事にしたミトラ教の影響もあると言われているそうです。)


日本でのクリスマスの歴史

室町時代:山口で祝われた最初のクリスマス

日本にキリスト教が伝来したのは、1549年と言われています(受験期には「イゴヨク広まるキリスト教」と覚えていました)。
スペインからイエズス会フランシスコ・ザビエルが鹿児島に上陸してキリスト教の布教を介したのがこの年でした。

日本で初めてクリスマスが正式に祝われたのは、1552年(室町時代) だと言われています。室町時代に山口の守護であった大内氏は外交などでも発展し、さまざまな文化や宗教を取り入れていました。第31代当主の 大内義隆フランシスコ・ザビエルの布教活動を寛容な心で許可し、これにより山口で降誕祭が行われました。この降誕祭は「日本で初めてのクリスマス」とされています。

現在でも山口市では、日本のクリスマス発祥の地としてクリスマスイベントが行われ、当時の歴史を振り返る催しが多く開催されています。
1952年にはフランシスコ・ザビエルの山口における布教活動400年を記念し、 山口サビエル記念聖堂 も建てられています。

戦国時代:キリシタン大名とキリスト教の広がり

イエズス会はその後も布教活動を広めていきます。
その時の手法が、大名を入信させてから家来などを入信させるというものでした。

大名は海外の文化や技術への興味もあり、キリスト教を保護するようになります。

日本最初のキリシタン大名である「大村純忠」をはじめとして、大友宗麟有馬晴信高山右近など、九州を中心にキリシタン大名が増えていき、日本でもキリスト教が徐々に広がっていきます。

松永久秀が三好三人衆と戦っていた1565年にクリスマスを口実に休戦したと言う逸話もあります。(この信憑性は低いようですが、ルイス・フロイスの「日本史」にて両陣営のキリシタンの武士が敵味方の垣根を超えて仲良くミサを行っていたという記述はあるようです)。

このように、武士を中心にキリスト教が広まっていき、江戸時代の初めになるころには人口の1200万人のうち2〜4%にあたる20〜50万人がキリシタンだったと言われています。

しかしその後、豊臣秀吉の「バテレン追放令」により宣教師が国外追放されるなどし、日本のキリスト教において冬の時代が始まります。

江戸時代:隠れキリシタンとクリスマス

江戸時代に入り、当初はキリスト教に対して寛容だった幕府ですが、キリシタンが増加する中、1612年にキリスト教の禁教令が出され、鎖国の時代に入っていきます。

この理由については

  • 「神の前での平等」を説くキリスト教の教えが士農工商の日本の身分制度と合わなかったから
  • 外交をしていた大名たちの強大化を恐れ、幕府が独占的にオランダと交易したかったから
  • ポルトガルやスペインによる日本征服を防ぐため

などと言われています。

踏み絵なども有名なように、厳しい取り締まりの中でクリスマスを祝うことも困難になりました。しかし、隠れキリシタンたちは密かにクリスマスを守り続けました。長崎の出島では「冬至のお祭り」ということで、ひっそりとクリスマスをお祝いしていたそうです。

出嶋阿蘭陀屋舗景
出嶋阿蘭陀屋舗景 「京都府立京都学・歴彩館 京の記憶アーカイブ」から)


ハイストで学ぶキリスト教・クリスマスにまつわる人物

家族で遊びながら歴史を学べる 歴史カードゲームHi!story【ハイスト】。クリスマスやキリスト教の歴史に関連する人物も登場します!

フランシスコ=ザビエル

日本に初めてキリスト教を伝えた宣教師。日本初のクリスマスを祝った人物としても知られています。
フランシスコ=ザビエルのカード画像


天草四郎

江戸時代のキリシタンのリーダー。禁教の時代でも信仰を守り、信徒を率いました。
天草四郎のカード画像


津田梅子

岩倉使節団に同行し6歳でアメリカ留学した津田梅子は、8歳ころに洗礼を受けたと記録されています。
津田梅子のカード画像


クラーク

お雇い外国人として札幌農学校で教鞭をとったクラークは、キリスト教を基本とする人格教育も行っていました。
クラークのカード画像

「ハイスト」を通じて、こうした歴史上の人物を楽しく学びながら、クリスマスの背景を知ることができます。プレイをしながら、親子で歴史について話し合ってみましょう!

おわりに

クリスマスの由来や日本での歴史を知ると、普段のお祝いがより特別に感じられるはずです。今年のクリスマスは、家族で楽しく過ごしながら、ちょっとだけ「学び」を取り入れてみませんか?

メリークリスマス!そして素敵な「ハイスト」タイムをお過ごしください!

クイズの答え

  1. Q1: 室町時代(1552年に山口で初めて祝われた)
  2. Q2: 山口(大内氏の保護の元でフランシスコ=ザビエルが開催)
  3. Q3: 太陽神の祭りが由来だから(ミトラ教の祝日が元になった)

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この記事を書いた人

ずいしょう
ずいしょう

ずいしょうです!
私立中高一貫校から東京大学文科II類に入学。その後理転して現在は工学部に所属しています。
エンジニアをやっており、webサイトやアプリ、このメディアなど様々なシステムを開発しています!

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