放課後のハイスト
【前編】灘中に受かるまでの軌跡|浜学園での勉強、遊び

【前編】灘中に受かるまでの軌跡|浜学園での勉強、遊び

投稿日: 2025年08月18日
最終更新日: 2025年08月18日
むろむろ

はじめに:この体験記を書こうと思った理由

こんにちは。ライターのムロです。少し前に私の母校である灘中学校・高等学校の紹介記事を執筆しました。
そしてこの記事は、私の「リアルな灘合格までの道のり」を、当時の記憶をたどりながら綴るものです。塾に通っていた頃、「灘に受かった先輩ってどんな勉強してたんだろう?」とずっと気になっていたのを覚えています。この記事は、あのときの自分が一番読みたかったものでもあります。

この記事を読んでくださるのは、灘中受験を目指すご家庭、それ以外の中学受験を見据えている方、「どうやって子どもと受験に向き合えばいいか」悩んでいる親御さんなどさまざまな立場の方がおられるかと思います。
そのため、あくまでテーマは灘中受験について書いていますが、灘以外の難関中学や、大学受験などにも通じる考え方もたくさん盛り込んでいます。「うちには関係ない」と思わず、ぜひご自身に置き換えて読んでみてください。この記事を通して、僕の歩みがヒントになったり、励みになったりしてくれたらとても嬉しいです。受験生本人にも、親御さんにも届くように頑張って書いていきます!

灘中を目指したきっかけと動機

最初に灘中を知ったのは、小学生のころに参加した文化祭でした。自由で雰囲気もよく、「こんな学校で過ごせたら楽しそう」と素直に感じたことを覚えています。強いモチベーションを抱いたというより、そこに集まる生徒たちの雰囲気に惹かれたような記憶があります。

私は関西では最大手の中学受験塾である浜学園に通っていたのですが、実際に浜学園の授業でも賢い子たちと議論したり競い合ったりするのが面白かったんです。なので、周りの子も目指しているし、灘に行きたいなと自然に考えるようになっていきました。
とはいえ小学生なので、当然ながらすべてが自分の意思だけで動けるわけではありません。親が塾に送り迎えをしてくれたり、「宿題やったの?」と確認してくれたり。そういった「適度な関与」があったからこそ、無理なく軌道に乗れたように思います。

塾との関わり方と勉強のスタイル

浜学園にどれくらい通っていたか

  • 小2〜小4:灘中合格特訓(月1)、夏期講習など
  • 小5:最高レベル特訓(週1)、平常授業(国・理のみ、週2)
  • 小6:平常授業+灘特訓・日曜特訓など週5日ほど通塾

浜の良かった点は、「上には上がいる」と肌で感じられる環境です。先生のレベルも高く、上位にいれば確実に合格に近づけるという実感がありました。
小さな塾だと上位にいても不安が残ることがありますが、浜で上位にいればそれはもう自信につながります。実際、上位層の多くが灘に合格していました。

家庭学習としては、塾の宿題を淡々とこなす形が中心で、浜の宿題をやるだけで正直かなり力がつきました。公文も小5まで続けていましたが、時間に追われる感覚はなかったですね。
地方の方には、通塾の難しさもあると思いますが、情報の鮮度や量が非常に大事なので、可能であれば大手塾の通信・模試だけでも活用すべきだと思います。

勉強と習い事、学校生活のバランス

私は塾や公文以外にも、水泳を小5まで、サッカーを小6の受験直前までやっていました。小学校の皆勤賞も取りましたし、学校の宿題も毎回きちんと出していました。受験勉強一辺倒の生活ではなかったんです。

こうした「普通の生活」を削ってまで詰め込みをしている子は、逆に伸び悩んでいた印象です。過度なストレスで潰れてしまったり、他人を羨ましがって集中を欠いたり——。どこかを削って詰め込むよりも、メリハリをつけて日常を大切にしながら勉強していたことが、結果的に良かったのだと思います。

特に小学生にとって大事なのは、「自分で納得して机に向かう」時間の持ち方。たとえば、僕は放課後友達と遊ぶ時間やテレビを我慢しない代わりに、朝早く起きて学校前に勉強する習慣がありました。夜はご飯を食べて、余った時間は自由時間。自分で設計したような時間の使い方だったから、気持ちも安定していたのだと思います。親視点でも、子供がやることをやっていたら遊んでいてもイライラしないですし非常に良い方法だったと思います。(笑)

成績とモチベーション管理

模試の成績推移

浜の公開学力テストでは、最初は灘中合格特訓の資格ラインをギリギリ取れるかどうかという成績でした。最終的には50位ほどに安定して入れるようになりましたが、成績が悪かった時でもあまり気にしすぎませんでした。
というのも公開テストは他塾の優秀な子も多く受けていたため、結果に一喜一憂しすぎないよう意識していたからです。指標にはするけれど、全てを委ねすぎない。そのくらいの距離感で見るのが良かったと感じています。

親との関係・ご褒美制度

公開テストで良い成績を取ったとき、10位以内に入ればグローブを買ってもらえるなどの「ご褒美制度」がありました。実際私はその制度によりモチベーションが引き上げられたことを強く覚えています。

このように子どもの性格に合わせて、プレッシャーではなく「成果を実感させる仕組み」をつくることはすごく効果的です。逆に罰を与える形の管理は、心理学的にも逆効果です。恐怖による動機付けでは、好奇心や創造性が育たず、学習の持続力が落ちてしまいます。

メンタルの維持

私はあまり詰め込まず、むしろ楽しんで勉強していたので、ストレスを感じることは少なかったです。ただ、母は少し厳しめで点数に口出ししてきた一方、父は「好きにすれば」というスタンス。このバランスがちょうどよく、どちらかに偏りすぎなかったのが効果的だったと思います。

実際、科学的にも過度なプレッシャーは学習効率を下げることがわかっています。たとえば、米国スタンフォード大学の研究では、強いストレスが作業記憶や集中力に悪影響を与えると報告されています。勉強を押しつけすぎると、視野が狭くなり、「自分で勉強する」習慣が育ちにくくなるのです。

地方在住の方であっても、最近は通信講座やオンライン指導の質が高まっており、灘を目指す環境は整っています。むしろ「情報が限られる」ことを逆手にとって、自分で考える力が育ちやすい土壌があるとも言えるでしょう。

次回予告|直前期の戦い方、そして合格当日へ

ここまで、灘を目指すことになった経緯、浜学園での勉強法、日常とのバランス、そして家庭の関わり方についてお話ししてきました。

次回【後編】では、いよいよ受験学年(小6)の過ごし方や特訓・模試との向き合い方、そして受験当日と合格発表のリアルな記憶をお届けします。

  • 6年の1日のスケジュールはどうなっていた?
  • 過去問はどこまでやるべき?
  • 合格したとき、家族はどう反応した?

一番気になる“受験直前期のリアル”、どうぞお楽しみに。

更新情報はハイスト各種SNS(X、Instagram)でお伝えしますので、ぜひフォローしてお待ちください。


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むろ
むろ

農学部所属、中高は関西の男子校です。主に受験や教育にまつわる記事を書きます。

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