
転売はなぜダメなのか ~わかりやすくまとめてみた~
近年、転売に関する問題が深刻になってきています。
少し前はマスクや医療用品、最近だと、お米、ガンプラなどの転売が問題となっています。
そこで、本記事では、社会問題となっている転売がなぜダメなのかわかりやすく簡潔に説明したいと思います。
よろしくお願いいたします。
なぜいけないのか
法的な問題
転売するものや条件にもよりますが、転売そのものが法律違反となることは結構あります。
例えば、コンサートのチケットやスポーツの試合のチケットなどは、定価より高く売ることは法律で禁止されている場合があります。もし見つかると、罰金や逮捕ということになります。また、マスクや医療用品が足りなかった時期には、国が高い値段で売ることを禁止していたこともありました。
つまり、勝手に高く売ることは、社会のルールに反することがあるのです。
また、転売すること自体を禁じる法律がなかったとしても、法律違反となることがあります。
例えば、転売による収益がある場合、基本的には課税対象です。ここでいう課税とは所得に関する課税のことで、確定申告ことを行わないと、所得税法違反(脱税)となる可能性があります。中古品(古着、ゲーム、家電など)を繰り返し仕入れて販売していたり、営利目的で継続的に行っている場合は、古物営業法によって都道府県公安委員会の「古物商許可」が必要です。すなわち、転売自体は問題ないが、許可が必要になることがあるということです。一般人がこういった法律を知ったうえでやっているかはわからないので、実は法律違反だったということもありえます。
このように、転売という行為やそれに付随したことが法律違反となることは結構あります。なお、法律ではないですが、メルカリなどのプラットフォームの規約違反となることもあります。例えば、無在庫での販売はメルカリでは禁じられていたはずです。「無在庫で転売なんてできるの?」と思う方もいると思いますが、実際にできてしまったため、規制されたといわれています。
最後に、当然ですが法律云々以前に、そもそも製造元が基本的にやめてくれと言っているわけですから、倫理的に問題があります。
本来の顧客の手に渡らない
例えばゲーム機だと、ソフトを買ってもらう前提でゲーム機は売られていたりします。したがって、ゲーム機を遊ぶ目的で買いたい人の手に渡らないとゲームソフトが売れず、メーカーは非常に困ります。実際、は転売ヤーが買い占めた結果広くいきわたらず、ソフトが想定よりも売れなかったという話を聞きました。よって、「ゲーム機自体は売れているから、メーカーにとっては良いのではないか」と考える人もいるかもしれませんが、メーカーにとっては悪影響となる面もかなりあります。
このように、転売ヤーは製造元にとっても迷惑となることがよくあります。実際、特に任天堂などは、転売に対してかなり厳しい対応をしています。
基本、性善説を採用して規制をしないのが一般的ですが、規制されていないからといってやらないようにしましょう。モラルの問題です。
社会への悪影響
先ほど例を出した通り、マスクや医療用品の転売ヤーが存在したときは特に社会への悪影響が大きかったといえます。社会全体が感染症に対して対策を取らなければ、どんどんと感染が拡大していってしまうわけですが、それを妨害するようなことをしたわけです。実際、当時は法律が急遽作られるほどの影響が出ました。
供給量が減ったり、値段が急激に上がることがあるのは、仕方のない面もあります。
例えば、気候の問題で農作物がうまく育たないことはよくあります。そのとき、野菜などの供給量が減り、値段が上がってしまうのは農家も慈善活動じゃないのでしょうがないことです。
一方で、転売は状況が異なります。
誰かが転売ヤーの例えとして、「整備されていた水道を壊して、水を独占して高く売っているようなもの」といっていましたが、まさにその通りだと思います。すなわち、本来不必要な独占や値段の上昇を引き起こしているわけです。健全な取引を妨害しており、ただただ迷惑なだけです。ほんとうにやめてほしいと思います。
なぜ広がったのか
なぜ近年になって、転売ヤーの問題が深刻になったのか疑問に思ったことはないでしょうか。
考えられることはいろいろとありますが、ここでは代表的な理由に関して述べようと思います。
ネット予約の広がり
昔と比べて、パソコンやスマホの普及により、ネットでの購入へのハードルは大きく下がりました。昔は、お店に朝早くから並ばないと買えなかったものも、今ではネットを使って、数秒で予約や注文ができます。このシステムを悪用する人が増えたことが一つの原因であると考えられます。
具体的には、転売ヤーの中には、「ボット」という自動プログラムを使って、人より早く予約をする人がいるといわれています。つまり、ふつうの人では勝てないスピードでどんどん商品を買い占めてしまうのです。これは結果的に一般人が購入することを妨害することになっており、非常に問題です。
フリマアプリやネットオークションの広がり
フリマアプリやネットオークションなどが手軽に利用できるようになったことも、一つの理由であると考えられます。具体的には、メルカリやヤフオクなどです。
メルカリやヤフオクなどの「フリマアプリ」は、本来自分のいらないものを売るための場所でした。売りたい人は不用品が売れて、買いたい人は買いたいものが買えるので、双方-の非常に良いシステムです。しかし、今では「新品をわざと買って、高く売る」人たちがたくさんいます。しかも、スマホひとつで簡単に出品できるので、転売がとてもやりやすくなってしまったのです。これもまた、本来の利用方法とは異なる利用方法をユーザーがしていることになり、非常に問題です。
得をする人はいるのか
転売をして、実際に得をする人がいるのか気になった人はいないでしょうか。すなわち、「転売をする人は実際に儲かっているのか?」ということです。状況にもよりますが、誰も得をしないことがあるということは知っておいて損はないと思います。
転売は、実際に状況によってはかなり儲かるといわれています。一方、安定してリスクなく儲かるかは微妙なところです。
かつてのマスク転売の時は、定価およそ650円の箱入りマスクが3個で3万2800円と定価の15倍以上の高値で転売されているケースもあったそうで、どの程度売れていたのかにもよりますが、ぼろ儲けだったと思います。一方、例えばガンプラなどはつあたりせいぜい数千円なので、仕入れたものがさばけない可能性も考えると、労力にあった利益が見込めるのかは結構疑問です。ふつうに働いたほうが確実にお金が手に入ると思います。楽して儲けようと工夫して失敗しているというか、そういう風に見えます。
一方、おそらく一番安定して得をする可能性があるのは、手数料が安定して入ってくるフリマサイトなどの運営元であると考えられます。プラットフォームを提供してさえいれば、手数料としてお金が入ってくるわけですから、在庫を抱える心配もなく、安定して儲かると思います。だから、製造元が取り締まってくれとお願いしても、対応しないことがあるのだと思います。しかし、転売は基本的に製造元が認めていないので、製造元との関係が悪化するというリスクもあります。
以上を踏まえると、最悪の場合、
- 製造元は本来の顧客に売れず損
- 本来の顧客は「買いたいものが買えない、本来の値段よりも高い」となって損
- 転売ヤーは買い占めたはいいものの、全然売れず買った分損
- 転売を取り締まらないと、製造元との関係が悪くなって損
という関係する全員が損をするという状況にもなりえます。
ほぼほぼ誰も得をせず、大勢が損をする可能性がある転売はやはり悪だと思います。
よくある反論
古本屋などとの違い
「じゃあ、古本屋はどうなんだ」とか「中古のゲームを売るのも転売じゃないのか」と主張する人がいます。しかし、この反論は間違っています。
古本屋は、「いらなくなった本を売る」ことで成り立っています。お店も、「買い取る値段」「売る値段」を公開していて、誰でも利用できます。しかも、もともと買った人が読んだあとに手放しているので、新品を買い占めているわけではありません。つまり、「すでに使われた物を、ほかの人に渡す」という役目をしているのです。すなわち、しっかりと流通に貢献しています。それはリサイクルにもなり、捨てた結果ごみ処理場で燃やされてしまうよりもずっと良いです。
以上のように、古本屋のような中古の品を売っている店と、転売ヤーは似ているようで本質的に異なります。
せどりとの違い
「せどり」という言葉もあります。
「せどり」とは、「安く売っている本や商品を見つけて、少し高く売る」という商売です。
例えば、で円で売っている本が、では円で売れていたら、それを買ってで売るような商売のことをいいます。
一見すると、転売のように見えるので、「転売はせどりと同じだから問題ない!」と主張する人がいます。しかし、これは間違いです。
せどりは、「安い物を見つける知識や努力」が必要です。商品も中古のことが多く、一つひとつを選んで仕入れることが多いです。つまり、せどりはちゃんと商品を選び、手間をかけて売る行為です。
一方、転売ヤーは「人気商品を不必要に大量に買い占めて、ただ高く売る」だけです。
例えば、そもそもふつうに公式で売られているなどのものを、遊ぶ目的ではなく最初から転売する目的で買い占めています。
このように、せどりと転売もまた、似ているようで中身はまったく違うのです。
転売ヤーへの対抗策
一番良い転売ヤーへの対抗策は、当然転売ヤーから買わないことでしょう。売れなければ、自分にとっていらないものを無駄に大量に購入したことになります。転売ヤーにとっては大打撃です。何回か繰り返せば、転売は割に合わないことだと気づいてやめることになるでしょう。
また、フリマサイトなどで転売が禁止されている商品、例えばなどを発見した場合、運営に通報するというのもよい手だと思います。うまくいけば、アカウントをできるかもしれません。
おわりに
本来、-の関係になれるはずのフリマサイトなどが悪用され、個人間の売買のみならず、社会レベルの問題となってしまっていることは実に嘆かわしいと思います。
みなさんも、転売ヤーからは購入しないようにするなど、対策を取っていただけると個人的にうれしく思います。
昔のように、適正価格で欲しいものが買えるようになってほしいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。他の記事(特に歴史カードゲームHi!story(ハイスト)の思い)や本家のハイストの方もよろしくお願いします。
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