
灘校6年間のリアルな日常
初めに
お久しぶりです。ライターのムロです。少し前に受験の記事を書いて久々の執筆となります。この記事では私の母校である灘中学校・高等学校の紹介をしようと思います。
まず灘と言えば東大や京大に多数合格者を輩出していることで有名です。実際、今年も一学年200名なのに対し東大に77名、京大に50名が合格しています。そのため「灘ってやっぱり勉強ばっかりなんでしょ?」「変な人ばっかりって聞いたけど…」中学受験を考える中で、そんな声を耳にすることもあるかもしれません。
私は実際に灘中学校・灘高等学校で6年間を過ごしました。その経験を通して感じた「灘の本当の姿」を、この記事では紹介したいと思います。
「先生と6年間」の深さ
まず特徴的なのが、担任の先生が6年間持ち上がりという制度。1年ごとに担任が変わる学校も多い中で、灘では基本的に中1から高3まで同じ担任団(7−8人)が学年を見てくださいます。
これ、思っている以上にありがたい制度です。思春期の6年間を通して、悩みや成長を一貫して見てくれる大人がいるのは、安心感にもなりますし、先生との信頼関係も自然と深まっていきます。勉強の相談だけではなく、プライベートなことや進路のことなど何でも安心して話せる先生が8人もいるというのは心の支えになっていました。
「生徒が学校を動かす」という実感
灘の文化祭に来たことがある方はご存知かもしれませんが、1日1万人以上が来場する大イベントです。
驚くのは、それをほとんど生徒が運営しているという点。私は文化祭の実行委員を経験しましたが、企画から予算管理、パンフレット作り、ステージ装飾まで、生徒だけでやります。ミスをすれば本当にお客さんに迷惑がかかるし、手を抜くこともできません。でも、それが逆に「本物の責任」を感じさせてくれる場でもありました。
文化祭の行事紹介
折角の機会ですので文化祭のユニークな行事紹介をしていきましょう。
まずはN1グランプリと呼ばれる漫才が人気です。審査員にはあの令和ロマンやエバースといった人気コンビのマネージャーの方が来られるなど、非常にハイレベルな戦いとなっています。
他にも踊り場と呼ばれるステージでは灘校生が練習を積み重ねて高度で息の合ったダンスを実施するため近隣校から追っかけ?のようなファンが来ていることも。
このように大人気の行事に加え、鉄道研究部による高精度の鉄道ジオラマや、レゴ同好会によるクイーンエリザベス号再現の巨大な模型など人気のコンテンツが豊富にあります。
灘に興味のある方はもちろん、そうでない方も老若男女が楽しめることを保証いたしますので是非足を運んでみてください。
生徒による独自の学校運営
話が少しそれましたが生徒会活動の話に戻りましょう。学校には年間で1000万円ほどの予算があり、それを部活や生徒会活動にどう配分するかも、基本的には生徒たちが折衝して決めています。
こうした「生徒が学校を運営する仕組み」には、評議会(いわば国会)、生徒会(行政)、新聞委員会といった、いわば「三権分立」のような構造があります。過去には選挙の際に規則に反した行動をした新聞委員の長が評議会で辞めさせられるといった、実際の国会で行われていそうな緊迫感ある議論もありました。(普段は生徒会運営に必要な議論がメインで、このような会は滅多にありません。。)
「変わってる」ことが当たり前になる空間
おそらく、灘の一番の魅力は「人」です。
いわゆる「変わった人」はたくさんいます。むしろ変わってない人の方が少ないかもしれません。でも、それを笑ったり、排除したりする空気が本当にないんです。
プログラミングを極めて医療分野に応用していた人や、部活動を毎日必死に頑張っていた人など多様な人がいます。
例えば私の周りには、陸上で100メートル全国決勝に進んだ友人、スマホゲームの大会に出場するため昼夜問わずゲームし続けている人もいました。
「自分の好きなことを本気で追求していい」という空気があるからこそ、学問との両立も自然に生まれていたのだと思います。
大学に進学した今でも、「あれほど多様で、互いにリスペクトがある集団にいたのは奇跡だった」としみじみ思います。
最後に:入ってよかったと心から思える6年間
灘での6年間は、決して楽なことばかりではありませんでした。でも、自分の好きなことに全力で取り組めて、それを周囲が応援してくれる環境は、本当にかけがえのないものでした。
これを読んでいる小学生や中学生の方へ。「勉強が好き」「人と違うかもしれないけど、やりたいことがある」そんな思いを持っているなら、灘はきっと居場所になります。
ぜひ、受験を検討してみてください。あの6年間を過ごせたことは、今でも誇りです。

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