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国宝・松江城の天守はなぜ黒い?湖畔に立つ「千鳥城」の魅力を徹底レビュー

国宝・松江城の天守はなぜ黒い?湖畔に立つ「千鳥城」の魅力を徹底レビュー

投稿日: 2025年10月30日
最終更新日: 2025年10月30日
かまだかまだ

こんにちは!ライターのかまだです。

前回、福山城を紹介しましたが、今回は島根県にある国宝・松江城に行ってきました!

松江城といえば、黒い天守閣が印象的ですよね。あの黒い姿の秘密、そして城を取り囲む堀川を巡る特別な体験を、たっぷりご紹介します。

それではどうぞ!

松江城:黒く美しい「千鳥城」の魅力

松江城の天守閣は、青空を背景に堂々とそびえ立つ黒い外観が特徴です。外壁の白い姫路城や彦根城とは対照的な、この「黒」にこそ、松江城ならではの工夫と歴史が詰まっています。

他の城と違い-黒塗りの秘密は「湿気対策」

なぜ松江城の天守は黒いのでしょうか?

その理由は、立地条件にあります。松江城は、すぐ近くに宍道湖(しんじこ)があり、冬には雪も降るため、非常に湿気が多い土地です。

この湿気から木材を守るため、塗料には渋柿すすを混ぜて作られた特別なものが使われました。これが、天守を引き締まった「」に染めているのです。

この黒塗りは、耐久性を高めるための実用的な工夫であり、同時に武骨で力強い美しさも生み出しています。

全国で5つしかない国宝天守

松江城は、現存する12天守の中でも、特に価値の高い国宝天守の一つです。(他に国宝なのは、姫路城、松本城、犬山城、彦根城。)

その規模も大きく、高さは現存12天守の中で第3位、広さはなんと第2位!実際に目の当たりにすると、その威容に圧倒されます。

また、別名である「千鳥城」は、屋根の装飾である「千鳥破風」が四方に施されていることや、宍道湖に千鳥が多く生息していたことが由来だといわれています。

城内体験と最上階の絶景

靴を脱いで急な階段を上っていくと、当時のままの城内を体験することができます。

天守内部には様々な武具や資料が展示されています。

特に印象的だったのは狭間(さま)や石落としなどの設備が充実していたことで、まわりに張り巡らされた堀川と合わせて難攻不落の城を目指したことがよく分かります。

そして、最上階の「天狗の間」へ。

ここからは松江市街を360度一望することができ、特に南側からは美しい宍道湖を遠望できます。かつて藩主もこの景色を眺めていたのだろう、と想像すると、歴史のロマンを感じずにはいられません。

松江城ならではの楽しみ方:船で巡る「堀川遊覧」

松江城を訪れたら、絶対に外せないのが「堀川遊覧船」です。

松江城の堀川はかなり広い範囲に広がっていて、宍道湖にも通じています。
そんな堀川を、船頭さんの解説を聞きながら約50分かけて一周します。城内展示や景観も素晴らしいですが、水上からの視点は格別です。

歴史的な武家屋敷の景観はもちろん、船頭さんが教えてくれる松江城と周辺地域の歴史トリビアがとても興味深いです。そして、一番盛り上がるのが、低い橋をくぐる瞬間!

船の屋根がスライドして下がり、乗客全員が体を倒して通り抜けます。歴史と自然を肌で感じ、心からリフレッシュできるおすすめ体験です。

松江城の歴史とアクセス

堀尾氏から松平氏へ、230年の統治

松江城は、関ヶ原の戦いで活躍した堀尾忠氏が城地移転(月山富田城を与えられたものの、周辺地域の統治に向かず移転)を決めたことで築城が開始され、1611年に完成しました。

しかし堀尾氏の統治は短い期間で終わり、その後は京極氏を一代挟んで、徳川家康の孫にあたる松平直政を初代とする松江松平氏が、実に10代・約230年にわたってこの地を治めました。

明治時代には廃城令によって取り壊されそうになりますが、当時の価値で180円(現在の約150万円)という値が付いた天守を、地元の豪農や旧藩士たちが買い戻し、なんとか取り壊しを免れました。

地元の人々の城への愛を感じさせますね。

アクセス情報

• 所在地: 島根県松江市

• アクセス:

JR山陰本線・松江駅から「レイクラインバス」乗車

一畑電鉄・しんじ湖温泉駅から市営バス乗車

いずれも「国宝松江城・県庁前」で下車し、徒歩約3分です。

おわりに

いかがだったでしょうか?

黒塗りの天守、難攻不落の防衛設備、そして楽しい堀川遊覧。松江城は、日本の歴史と自然を心ゆくまで楽しめる素晴らしい場所です。

さらに城内には松江松平家初代藩主松平直政をはじめ徳川家康、松平治郷、堀尾吉晴を祀った松江神社もあるので、そちらも合わせて参拝してみてください!ぜひ、次の旅先に「国宝・松江城」を加えてみてください。

ありがとうございました。

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かまだ
かまだ

「放課後のハイスト」編集担当。専攻は心理学です。

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