
受験校決定のコツ ~大学受験に向けて~
本記事では、過去の記事のアンケートで要望の多かった、受験に関することとして、受験校の決定のコツを紹介したいと思います。
僕が理系なのでかなり理系向けの内容にはなっていますが、文系の方も少しは参考になると思います。
よろしくお願いいたします。
やりたいことで探す
当たり前ですが、大学を決める際に一番最初に考えるべきことは、やりたいことだと思います。「○○を研究したい!」みたいな動機でなく、「△△大学に通いたい!」みたいなのでも良いと思います。「なんとなく、周りが進学するから…」というのでもいいかもしれません。とにかく、動機をはっきりとさせましょう。
次に、あなたの動機に合った大学を探しましょう。そうなると、多くの人にとって良い大学が、あなたにとっては別にそうでもないということは起こり得ます。例えば、看護師になりたいのであれば、看護学科のようなところがある大学でなければなりませんが、医学部があるような大学でなければ、看護学科は存在しません。すなわち、例えば、早稲田大学などは非常に人気がありますが、医学部はないので、あなたの選択肢からは外れることになります。
このように、やりたいことや動機をまずははっきりとさせましょう。そのうえで、やりたいことができそうな大学などを、志望校に入れれば良いと思います。
「良い大学」を探す
情報が入ってこないと、「一般の知名度はあんまりだけど、実はいい大学」が選択肢から外れてしまうことになります。
例えば、東京農工大学という国立大学と、東京農業大学という私立大学があります。どちらも専門特化で、非常に良い大学だと思いますが、知名度は偏っているようです。具体的には、東京農工大学は、東京農業大学とよく間違えられるそうですが、逆は聞きません。おそらく、一般の知名度は東京農業大学の方が高いのでしょう。そうなると、せっかく都内の国立大学という良い大学なのに、選択肢から外れてしまうことになりかねません。
このように、一般の知名度が低くても、良い大学はたくさんあります。そういった大学は、自分から情報と取りにいかないと、情報が入ってきません。いろいろと調べてみましょう。
また、実は大学は大きくつに分けることができます。総合大学か、単科大学かです。だいたいの有名大学や難関大学は総合大学に当たります。大雑把にいえば、総合大学はその名の通りいろいろな学部がある大学であり、単科大学は例えば工学部しかないなどの、少ない種類しかない大学のことです。すなわち、広く学びたいのであれば当然総合大学の方が良いでしょうし、理系特化や文系特化のことをみっちりとやりたいのであれば、例えば名古屋工業大学とか、東京外国語大学みたいな特化型の大学の方がいいかもしれません。そこは、性格や何を詳しく学びたいかにもよります。あなたに合う、「良い大学」を探しましょう。
「穴場」を探す
当たり前ではありますが、受験科目が増えれば増えるほど、受験生にとっては負担が大きくなります。したがって、当たり前ではありますが、科目数が少ない方が受験生にとっては有利です。本章では、そんな受験科目数が少ない穴場的な難関大学、有名大学を紹介したいと思います。なお、僕が理系なので理系の話になってしまいますが、文系にも適用できるところはあると思います。
私立理系
一般に、私立理系であれば、英語と数学、理科科目の受験が必要ですが、大学によっては難関大学であっても、英語と数学だけで良かったり、英語を英検などで代替し、本番は数学と理科科目で良くなるところがあります。
例えば、明治大学の総合数理学部は英語と数学だけで受験することが可能な方式がありますし、法政大学の理工学部では、英語を英検などの検定、個別試験を数学だけで受けられる方式があります。軽く調べた範囲でもこれなので、もっと科目数の少ない、有利な方式があるかもしれません。「英数理の科目は必須」という思い込みに惑わされず、いろいろと調べてみましょう。
国公立大理系
国公立大学は基本的に受験には共通テストで教科科目というかなり多い科目数が必要となります。しかし、実は一般にいわれる科目よりも少ない科目で受験することが可能なところがあります。
例えば、有名どころだと金沢大学理工学域の理系一括入試なんかは、実質英数物だけで受験することが可能です。すなわち、私立理系志望の受験生も併願することが可能です。基本的に地方にある大学、特に公立大学はこういった所があるようです。なお、首都圏だと横浜市立大学理学部の方式は、英数物化の科目での受験が可能なようです。
また、地方の国公立大学だと、共通テストの科目数は多いですが、大学のレベルに対して合格点や偏差値が低いところや、次試験の科目数が少ないところはたくさんあります。例えば、室蘭工業大学という航空宇宙工学で非常に有名な国立大学がありますが、前期日程の共通テストのボーダーラインは%を切っており、次試験も数学のみのようです。このように、良い大学であっても、合格点の低い穴場的なところは地方には結構あります。
私立文系
理系だけど、絶対にやりたいことがあるわけではなく、○○大学に入りたいという気持ちの方が強い場合、文系学部を受けることも選択肢には入ってくると思います。
例えば、経済学部や経営学部などは、理系にも受験できるような受験科目になっているところは結構あります。科目としては、英語、数学、国語などなることが一般的です。大学によっては、英語、数学だけで済むこともあります。特に、理系であれば、文系よりも数学はできることが多いと思うので、有利になる可能性もあります。実際、非常にレアケースだと思いますが、友達に理系だけど、早稲田大学の商学部と慶應大学の経済学部に合格した人がいます。
まとめ
憧れの大学であっても、自分に合った方式の入試がある場合があります。例えば、「理系科目は得意だけど、文系科目はダメダメ」であっても、国公立大学に合格できる可能性はありますし、「数学しかできない」みたいな場合でも、狙えるところはあります。最初から「自分には無理だ」とあきらめるのではなく、そういった自分にとっての「穴場」をいろいろと調べてみましょう。最終的には募集要項を熟読する必要がありますが、大雑把に調べたい場合は、旺文社のパスナビが見やすいので良いと思います。
ただ、「穴場」は「穴場」であって、広く適用できるようなものではありません。先ほど述べたような大学で、英語と数学だけで受験できるからと、英語と数学しかやっていないと、かなり受験校が狭まってしまいます。それは、チャンスが減ることと同義です。理科にまったく手を付けないということは、本当に間に合わない状況でない限り、ないようにしましょう。絶対に、「科目もやってたら間に合わない!」という風に、追い込まれた場合は別ですが。
その他
ここでは、ほかに気を付けるべきことに関して述べていきたいと思います。
偏差値をあてにしすぎない
予備校が出している大学ごとの偏差値が、そのままあなたにとっての難易度になるとは考えない方が良いです。
例えば、あなたが英語のリーディングは得意だが、ライティングは苦手だったとしましょう。そうなると、読解しか試験に出ない大学はあなたにとっては偏差値的には高くても点は取りやすいでしょうが、英作文などが出る大学は、偏差値が低めであっても点は取りにくいでしょう。
また、問題は簡単だが合格点が高いパターンや、問題は難しいが合格点は低いパターンもあります。基本的なことをミスらずにできる人であれば、前者の方が合格しやすいでしょうし、難しくてもチャレンジできる人ならば後者の方が合格しやすいかもしれません。
このように、世間で言われている難易度と、あなたにとっての難易度は必ずしも一致しません。過去問などを見て形式を調べ、あなたにとっての難易度を調べましょう。
通える範囲で探す
自宅からの通学を考える場合、通学時間は非常に重要になります。特に、首都圏などの電車が非常に混雑する地域の場合、通学だけでかなり体力を使うことになります。僕自身、かなり乗車率の高い路線を使っているのでかなり大変です。また、人身事故や天気が非常に悪くなり、大幅に遅延したりすると、帰宅が非常に困難になります。せいぜい、電車だけで最大時間くらいで着ける範囲に限定することをおすすめします。
また、あまりいわれてないですが重要なこととして、同じ大学でも、キャンパスの所在地がバラバラなことはざらにあります。すなわち、「メインキャンパスは通学圏内だったが、受かったのは違うキャンパスだったので、実は通えなかった」みたいなことが起こる可能性があります。
例えば、日本大学という、めちゃくちゃ規模の大きい大学がありますが、工学系の学部として、理工学部、生産工学部、工学部があります。一方、それぞれの学部のキャンパスの所在地は、理工学部で東京や千葉、生産工学部で千葉、工学部で福島県の郡山市とバラバラです。すなわち、「日本大学だから、きっと東京にあるのだろう」という風に思い込んでいると、実は千葉だったり、福島になってしまい、「東京だったら通学圏内だったのに、実は自宅から通えなかった」みたいなことになる可能性があります。
さらに、東京ディズニーランドといいつつ、千葉にあるようなのと同様に、「東京」と大学名に入っていても、キャンパスが違うということも起こり得ます。例えば、東京大学には柏地区キャンパスというその名の通り、千葉にあるキャンパスがありますし、東京理科大学の野田キャンパスは、その名の通り、千葉県の野田市にあります。このように、名前に「東京」と入っていても、東京都内にはないことは結構あります。
キャンパスの所在地の先入観に惑わされずに、受験校を決めましょう。
おわりに
本記事では、受験校の決定のコツを紹介してきました。
参考にしていただければ幸いです。
よく大学入試では、旧帝とか、早慶とか、マーチとか、関関同立とか日東駒専とかいった難関大学が話題にのぼります。しかし、意外なほど知名度はなくても良い大学はたくさんありますし、難しいといわれているけど、簡単なところもあります。頭ごなしに無理と考えてあきらめたりするのはやめて、いろいろと調べるのが良いと思います。
また、第一志望であっても、「思っていたのと違った…」となることもあるでしょうし、滑り止めだけど「めちゃくちゃ良かった!!!」と思えることもあるでしょう。
あなたの受験が、満足のいく結果になっていただけたら幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。他の記事(特に歴史カードゲームHi!story(ハイスト)の思い)や本家のハイストの方もよろしくお願いします。
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