放課後のハイスト
学生こそ必見、勉強の心理学

学生こそ必見、勉強の心理学

投稿日: 2025年02月17日
最終更新日: 2025年02月17日
かまだかまだ

はじめに

「勉強しなさい!」
「今からやろうと思ってたの!」
んで、結果やらない

なんていうあるあるをみなさん一度は経験したことがあるのではないでしょうか。そもそも勉強に対するモチベーションは低い人が大多数だと思いますし、私も例にもれずその一人です。

でも実際勉強をした方がいいのはなんとなく分かっていて、でもやりたくないし、邪魔は入るし...

本記事では、そんな状況下で身体に何が起こっているのかを心理学の観点から解説します。

「勉強しなさい」は逆効果?

散々こすられているネタではありますが、「勉強しなさい」と言われると逆にやる気がなくなってしまうような状況、これは心理的リアクタンス理論によって説明できます。

心理的リアクタンス理論とは、「選択する自由が外部から脅かされたときに、自由を回復しようと反発する作用」のことです。上記の例でいえば、

勉強をする/しないという選択肢がある状態から

勉強をすることを強要されたことで

再びする/しないの選択肢がある状態へと戻ろうとして

勉強をすることへの反発がおこる

といった流れです。

じゃあ逆に、勉強をすることを禁止すれば勉強をするようになるのでは?という考えが出てくるかもしれません。実際、人は禁止された行為ほどやりたくなるというカリギュラ効果なんてものも存在します。

ですが、「勉強をするな」と言ったことに言質を取られてしまえば完全に逆効果ですし、あまりにも不穏なのでこれはおすすめできません。

そもそも、勉強をする/しないという選択肢がある状況で「しない」を選択し続けてきた人にただただ勉強をしろ/するなと強要しても、その回答は全て「しない」に収束してしまいます。

つまり、勉強に対するモチベーションの増加なり、何らかの動機がないと勉強への着手は難しいわけです。

動機づけ

動機づけは大きく分けて2種類あり、「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」があります。

外発的動機づけは外部からの刺激を原因とした動機づけで、基本的に受け身な精神状態で行動している状態を指します。「いい点を取ればご褒美がもらえるから頑張る」「悪い点を取ると怒られるからやらなきゃ」といった状態です。

一方、内発的動機づけは自分の興味・関心などから来る動機づけで、自発的に行動している状態を指します。「分かるものが増えていくのが楽しい」「もっとここの部分を知りたい」といった状態です。

直感的にも分かると思いますが、一般的に内発的動機づけの方が強い動機づけとされています。もちろん「勉強が楽しい!もっと知りたい!」という状態になることができれば最強なのですが、急に興味関心を沸かせるのも難しいと思うので、まずは外的報酬を用意して外発的動機づけを高めるのが簡単なのではないでしょうか。

その上で、人は挑むハードルが高いとモチベーションが低下してしまうので、タスクを切り分けて、例えば「3問解いたらチョコ1個食べていい」「25分勉強したら5分休憩する」という風に目先に簡単な報酬をぶら下げておくといいのではないでしょうか。

また、このタスクごとのハードルを下げる行為は先延ばし対策にも効果的で、見えているゴールに向かって「とりあえずやってみよう」という気持ちが起こりやすくなります。一度始めてしまえば、作業興奮が刺激されるため意外と集中できるものです。

おわりに

ここまで、ざっくりと勉強にまつわる心理的状態について解説してきました。興味や関心からくる内発的動機づけは簡単ではないと話しましたが、今の世の中には「楽しく」学べるコンテンツ(特定の分野を題材にした漫画など)がたくさんあって、私たちハイストもそんな「楽しい」が先行する学びを提供し続けていきます。少しでも歴史や他の学問にも興味を持っていただけたら嬉しいです。

ありがとうございました。


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この記事を書いた人

かまだ
かまだ

「放課後のハイスト」編集担当。専攻は心理学です。

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