
マングローブ林はなぜ重要?
はじめに
最近私は大学の実習でマングローブ林を訪れることがありました。授業などでマングローブ林の消失を知ることはありますが、実際にマングローブ林の中を歩いてみるとよりその問題が自分ごとのように感じました。やはり現場に足を運ぶことの大切さは計り知れません。
そんなわけで今回はマングローブ林の消失がなぜ問題なのか、みなさんに詳しく紹介していきます!
ブルーカーボン
マングローブ林を紹介する前にみなさんに覚えていただきたい概念があります。ブルーカーボンです。
マングローブ林や塩性湿地、海藻類を中心に吸収される二酸化炭素のことをブルーカーボンと呼びます。これらの自然環境にあまり馴染みはないかもしれませんが、温帯から熱帯地域の海岸沿いは本来これらのいずれかにあたるところがほとんどです。近年ブルーカーボンはさまざまな理由から大きく注目されています。
なんと、十年単位や百年単位で炭素を貯蔵する森林に対して、ブルーカーボンは千年単位で炭素を貯蔵できることがわかっているのです!地上で起こっていることの方が人間にはわかりやすいのかもしれませんが、実は人間の目に見えないところの方が人間に影響を与えているのです。
ブルーカーボンについては環境省にわかりやすい説明をしているページがあります。
消えていくマングローブ林
マングローブ林の消失面積は熱帯雨林のそれをはるかに超えます。どれくらいかというと熱帯雨林のそれの4倍の速さです。そしてさらに憂慮すべきなのはその減少の速度が速くなっているということです。
マングローブ林の役割
マングローブ林があることによって多くの良いことがあります。まず、マングローブ林は魚類や甲殻類、貝類や昆虫類、鳥類まで多くの生物のすみかとなっています。写真を見てのとおり、マングローブの根は小さな生物にとって絶好の家となっています。
この写真にはワニが写っています。みなさん見つけられたでしょうか。
次に、マングローブ林には水量調節の機能が備わっています。大雨などで水量が増えた時には多すぎる水を吸収し、干ばつの時には水を保持してくれます。
この写真は乾季の時に撮ったものですが、地面に水が溜まっているのが見えます。
また、マングローブ林があることによって海岸の土壌侵食を抑えられます。通常の砂浜などでは波によってどんどん陸地が削られて狭くなっていきます。テトラポッドを設置するなどしてそれを防ぐ方法もありますが、マングローブもその作用があります。
そして、最後にブルーカーボンの説明でも紹介しましたが、炭素固定の効果です。地球上の多くの植物は塩に弱いため海水があるところで枯れてしまいがちですが、マングローブはそんなことお構いなしにガンガン育っていきます。
こんなにも密に育ちます。これが消失するとここはおそらく海になってしまいます。
写真集
マングローブの種子。正確に書くと一番上の茶色の部分が種子。これが木から落ちて地面に突き刺さることで繁殖する。
芽が出たばかりのマングローブ
地面からたくさん突き出ているのはマングローブの根、土の中は空気がほとんど含まれないため、このように根を出すことによって空気を吸うことを可能にしている。
乾季だったため、根がむき出しになっている。雨季には根は水没する。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回はみんなが知っていそうで知らなさそうなマングローブについて紹介してみました。マングローブ林により親近感が湧いてきたのであればぜひいいねボタンを押してください!今度マングローブ林を訪れた際にはいろんな動物やマングローブの種などを探してみてください!

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