
大学の進路選択 ~先端技術のすすめ~
本記事では、主に理系の方や文理選択で迷っている方が、進路選択の際に参考になるような情報を紹介したいと思います。
具体的には、タイトルにあるように、「先端技術」といわれるようなものを紹介いたします。
少しでも参考にしていただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
先端技術とは?
概要
「先端技術」とは、英語だと「 」といわれるようなもので、「現在の科学技術の中で、特に高度で進んでいる技術や、それを応用した技術群のこと」をいいます。平たくいうと、「最先端」とまではいわないまでも、かなり新しいといっていいような技術のことです。
すなわち、「先端技術」は、時代に合わせて内容が変わります。例えば、内燃機関車の自動車、すなわち、一般的なガソリン車の自動車は今では「先端技術」には属しませんが、何十年か前は「先端技術」に属していたといえます。実際、日本史の話となりますが、1960年代中盤のいざなぎ景気時代には、カラーテレビ ()、クーラー ()、自動車 () の3種類のものが新しい三種の神器として広まったといわれています。これらは3Cともいわれており、当時は時代の先端をいく技術であったといえるでしょう。逆に言えば、これだけありふれたものとなってしまった現代では、「先端技術」ということはできないともいえます。
先端技術の魅力
次の章では、現代の「先端技術」の具体例を複数紹介しますが、先端技術は文字通り時代の先を行くものであるため、将来性が抜群です。これは、「先が見通せない時代」といわれている現代において、非常にプラスにはたらくと考えられます。
また、単純に既存のものとは大きく異なることがあるものであるため、新しいことをやりたい人には非常に向いている分野であると思います。
ちなみに、東京大学には先端科学技術研究センターというところがあり、様々な分野で様々な研究が行われています。個人的には、理系分野だけでなく、社会科学の研究室も複数存在しているところが面白いと思います。
先端技術の具体例
以下、先端技術の中でも、比較的身近なものからつほど紹介したいと思います。
スマートフォン
みなさんは、スマートフォンを持っている可能性が非常に高いと思われます。スマートフォンは年代後半にできたものであり、そういった意味ではかなり新しいものです。一方、これだけ普及している現在では、スマートフォンというだけでは先端技術とはいえません。それではどこが先端技術なのでしょうか。
結論から申し上げますと、「スマホの中身が先端技術のかたまり」となっています。
例えば、スマホに限らずコンピューターの中には、半導体という素子が入っています(昔、半導体不足でニンテンドーが生産できないみたいなニュースがあったと思いますが、などのゲーム機にも当然入っています)。この半導体がデバイスのスペックを決めているといっても過言ではなく、古いスマホでゲームをやられたことがある方は分かると思いますが、重い処理をするとフリーズしたりすることがあったと思います。その際、高性能な半導体が入っている最新式のスマホであれば、フリーズすることなく快適に遊べた可能性があります。実際、仮に今のアプリを年くらい前のスマホに入れると、とんでもなく重くなるか、下手したらまったく動かない可能性があります。このように、半導体は現在では非常にありふれたものでありますが、今でも盛んに改良が進められている非常にホットなものです。割と最近も、半導体の工場が熊本にできたとニュースになっていたと思います。
また、最近の通信というものをよく聞くようになったと思います。実際、スマホの通信において現在からへの移行が進んでいると思いますが、このような通信の技術も先端技術に属します。簡単にいうと、の頭についている数字が増えていくごとに、通信のスピードが上がっていきます。例えば、動画を観る際に、なかなか読み込まれないという経験をしたことがある方も多いと思いますが、通信のスピードが上がれば、そのようなことは起きづらくなります。また、ネットにつないでやる対戦ゲームにおいて、「ラグ」というのを聴いたことがあるかと思いますが、その「ラグ」は通信の速度などによって引き起こされるものであるため、そういったことが起こりにくくなる可能性があります。現在ではさらに進んでの研究が行われているそうです。すごいですね。
ほかにも、スマホにを搭載したり、高性能なセンサーを搭載したり、バッテリーを改良したりと、スマホそのもののデザインなどは大きく変わってはいませんが、性能はここ十数年で飛躍的に向上したといえます。このように改良していくための技術の進歩も先端技術に属します。そして、みなさんはおそらく毎日何かしらの用途でスマホを使ってらっしゃるでしょうから、性能が上がっていくことの必要性も感じているのではないでしょうか。すなわち、よほどのことがない限りは、しばらくは需要があり続けると考えられます。
自動運転
先ほど、「ガソリン車の自動車は先端技術ではない」といいましたが、自動車のすべてが先端技術ではないわけではありません。具体的には、自動運転や電気自動車、燃料電池車は先端技術といってよいです。ここでは特に、自動運転に関して紹介したいと思います。
自動運転に関することはしばしばニュースになっており、かなり高度なレベルにまで達しているといって良いでしょう。実際、すでに自動運転の車がタクシー代わりになっている地域もあるそうです。一方、完全な自動運転のことをレベルというそうですが、そこまでのものは現在達成できていないようです。具体的には、条件付きの自動運転であるレベル~程度まではある程度達成できているようです。したがって、自動運転は「ありふれたもの」とはなっていないことから、先端から最先端の技術といって良いものとなっており、将来的な需要も見込めることから、非常にホットな研究テーマといって良いと思います。
生成AI
最近、生成に関するニュースが非常に多くなっていると思います。具体的には、などですが、実際飛躍的に性能は向上していると思います。一方、まだ完成しているものではなく、質問に対してまったく見当違いのことを返答することもあるようですし、まだまだ問題点はたくさんあります。しかし、今後さらに性能が向上したり、利用がしやすくなっていくのであれば、様々な分野に非常に大きな影響を与えることは確実でしょう。こちらもまた、将来性抜群の研究分野となっています。実際、最近では情報系の学科の人気がかなり上がってきていると聞きます。なお、具体的な研究としては、新しいアルゴリズムやモデルの提案などを行っているようです。
レーザー
みなさんはレーザーを使ったことがあるでしょうか。最も身近なレーザーはレーザーポインターであると思いますが、プレゼンなどをやらない限り使うことはないかもしれません。実際、レーザーは目に入ると失明する可能性のある非常に危険なものであり、高出力なものになると、ものを発火させることもできたりします。すなわち、一般に流通するにはかなり安全性に問題があるといっても良いものであるともいえます。一方、レーザーというもの自体の存在はご存じであると思います。
レーザーとは、「 」の頭文字をとったものであり、 と英語では書きます。日本語に訳すと、「誘導放出による光増幅放射」となりますが、誘導放出という概念が非常に量子力学的なものとなるため、詳細な説明は割愛させていただきます。
このレーザーというデバイスは、一見するとただのライトのように見えるかもしれませんが、ただレーザーポインターなどとして使えるだけではありません。実際、病院で手術に用いられることもあります。また、特にホットな分野としては、光通信に応用されています。光通信とは文字通り光を使った通信で、電気信号を光信号に変えることで通信を行います。「光ファイバー」というものを聞いたことがあるかもしれませんが、あの光ファイバーの中にはレーザー光が通っており、高速通信を可能にしています。光ファイバー自体は結構昔からありますが、今なお改良が進められている分野であるため、先端技術といえます。また、先ほど述べた通り、通信の速度は我々の生活にとって重要であるため、速いに越したことはありません。したがって、需要も十分にあると考えられます。
どの学部・学科で学べるのか
以上までで、代表的と考えられる先端技術に関して紹介を行ってきましたが、ここでは、具体的にどのような学部・学科に進学すればこのようなことにかかわれるのかを紹介したいと思います。
結論から申し上げますと、主に理学部や工学部、理工学部でやることができると思います。
例えば、学科の名称や分類は大学によって多少異なりますが、代表的な例としては以下のようなものが挙げられます。
- 工学部/理工学部 電気電子系(スマホ・通信・レーザーなど)
- 工学部/理工学部 機械系(自動運転・ロボティクスなど)
- 理学部/理工学部 物理学科(レーザーなど)
- 理学部/理工学部 数学科(情報理論・アルゴリズムなど)
- 工学部/理工学部 情報学科(生成AI・アルゴリズムなど)
どの分野に興味を持ったかで、進学すべき学科は大きく変わってきますが、概ね理学部、工学部、理工学部のいずれかの学部であり、化学系や生物系などではないのであれば、何かしらの形では関われる可能性が高いと考えられます。それくらい、現代の学問は学際的といって、複数の学問分野にまたがっているものが増えています。
また、大学名としては、やはりできる限り科研費が多いところが良く、実績のある大学が良いと考えられます。具体的には東大などの旧帝大、東京科学大、筑波大などでしょうか。また、理工系特化の工業系大学のようなところも良いかもしれません。
とにかく、理工系の研究は金や設備がないと始まらない部分があります。したがって、研究資源が豊富な大学や、研究実績の高い大学に進学できると良いと考えられます。ただ、ここで挙げたいずれの大学であっても、学部の段階でガッツリ研究ができるということは基本はないと考えられる(基本的に年のうち、年が座学、年が研究)ため、大学院進学を前提に考えた方が良いと思います。
おわりに
本記事では、主に理系の方や文理選択で迷っている方が、進路選択の際に参考になるような情報として、「先端技術」に関して紹介してきました。
少しでも参考になっていただけたら幸いです。
さんざん繰り返し述べてきましたが、先端技術は文字通り新しい技術であり、将来性が抜群なものです。ぜひ進路の選択肢の一つに加えていただきたいと思います。あなたの研究が、将来世界を大きく変えるかもしれません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。他の記事(特に歴史カードゲームHi!story(ハイスト)の思い)や本家のハイストの方もよろしくお願いします。

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