
論理力トレーニング ~主に中学受験に向けて~
意外に思われるかもしれませんが、小学校から大学まで、問題のつくりは大きくは変わりません。
そこで、本記事では、特に小学生くらいの方向けのレベルで、頭を使う問題を解くうえでのコツをお話ししたいと思います。
本記事で基本的なコツを身につけることで、長く使えるスキルを身につけることができると思います。
特に、僕自身中学受験経験者なので、中学受験などを考えられている方には、本記事の内容は有意義になっていると思います。
よろしくお願いいたします。
知識と理論
まずはじめに、勉強における問題は大きく分けて種類存在します。
- 知っているかを問う問題
- 考える力を問う問題
- 知っているかと、考える力があるかを問う問題
です。
順番にいきましょう。
知っているかを問う問題
まず、一つ目の「知っているかを問う問題」に関してですが、文字通り「知っているか知らないか」でできるかできないかが決まります。例えば、
「鎌倉幕府の初代将軍は誰ですか?」
みたいな問題です。当然正解は
源頼朝
です。
どんなに頭の良い人でも、知らないことに関してはどうにもなりません。大変だとは思いますが、がんばって覚えるしかありません。逆に言えば、覚えてしまえばそれでおしまいですし、知識面に関しては、子供であっても大人を上回る可能性は十分にあります。
この記事を見ている時点で、おそらくあなたはハイストのことが好きだと思うので、歴史に関してかなり詳しいと思います。思い返してみれば、大人顔負けの詳しさだったことがないでしょうか。多分、
ハイストに書かれていることをすべて記憶しているならば、ふつうの大人よりもずっと歴史には詳しいと思います。
そんな感じで、ふつう子供が大人に勝つことは難しいですが(やはり長く生きてきた人はそれだけ経験を積んでいるのです)、知識面などであれば勝てるかもしれません。
考える力を問う問題
次に、「考える力を問う問題」です。
これは文字通り、「頭を使わなければ解けない」問題です。
いわゆるテストみたいなやつですね。学校などでの話題になったことがないでしょうか。あののことです。
なかなか良い例が思いつきませんが、以下のような例があります。
例題
あなたは二つの道の前に立っています。
どちらか一方の道の先には宝箱があります。もう一方にはなにもありません。
道の前には二人の人が立っています。
一人は「絶対にウソしか言わないウソつき」です。
もう一人は「絶対に本当のことしか言わない正直者」です。
でも、見た目だけでは見分けがつきません。
あなたは、どちらか一人にだけ、1回だけはいかいいえで答えられる質問をすることができます。
さて、どのような質問をすれば、宝のある道をえらべるでしょうか。
ヒント
どちらがウソつきでも正直者でも、同じ答えが返ってくるような質問を考えてみましょう。
解答・解説
正解は、
「あなたじゃない方の人に、『宝がある道はこっちですか?』と聞いたら、『はい』と答えると思いますか?」
と聞けばよいです。
もし相手が正直者なら、本当のことを言うので、ウソつきがウソをつくことを教えてくれます。
逆に、もし相手がウソつきなら、ウソをつく人が、「正直者が言うことをウソにして」答えます。
いずれにせよ、答えが「はい」だったら逆の道、「いいえ」だったらその道を選べば正解になります。
つまり、「ウソつきのウソは本当」ということですね。中学校に入ると、「マイナスマイナスはプラスになる」ということを学びますが、それと同じことです。
この問題は知識は不要ですが、かなり考える必要があります。こういった問題が、純粋な「考える問題」です。
まあ、一回やったことがあるかどうかで、できるかできないかは変わってくると思いますが。
結局のところ、何事も経験を積むのが大事という話ではあります。毎日ドリブルの練習をしていれば、ものすごく速くなれるかもしれません。ぜひいろいろと考えてみましょう。
知っているかと、考える力があるかを問う問題
最後に、「知っているかと、考える力があるかを問う」問題です。これは、ここまでで説明してきたつを合体させた問題で、ほぼすべての問題がこのタイプです。
一つ例題を考えてみましょう。
例題(けっこう難しいかも…?)
「なぜ戦国時代のお城は、高いところにあるの?」
はじめに
まず、ハイストをやっている人は当然知っていると思いますが、日本にはかつて戦国時代という時代がありました。有名な人物としては、織田信長なんかがいますね。
このことを知っていないと、例題の「戦国時代」という言葉の意味が分からず、そもそも問題文の意味が分かりません。これが知っていること(前提知識)です。
また、これまたあたりまえかもしれませんが、戦国時代は戦国という名前の通り、戦いが多かった時代でした。
そして、お城は戦いのための建物です。
一応、まとめておくと、
- 戦国時代は戦いが多かった
- お城は戦いのためのものだった
です。
このふたつがわかっていれば、あとは考えるだけです。
知識をもとに考えてみよう
さて、戦国時代は戦いが多く、お城は戦いのためのものだということがわかりました。それでは、なぜ戦国時代のお城は、高いところにあるのでしょうか。
まず、敵が攻めてきたときを考えてみましょう。
当然、「気づいたときにはものすごく近い」とかいうことになると困るわけです。鬼ごっこで、いきなり真後ろに鬼が出てくるようなものです。困りますよね。
ではどうすれば良いかというと、できるかぎり早く敵が来ていることに気づければよいのです。そのためには、「見晴らしの良いところにいる」ことが一つの良い方法となります。
さて、みなさんは、東京タワーや東京スカイツリーのような高いところにのぼったことがあるでしょうか。実際に行ったことがなくても、『名探偵コナン』などのアニメで高いところからの景色が描写されることはよくありますから、なんとなくはわかるかもしれません。ふつうに、お城の一番高いところにのぼったときの経験でも大丈夫です。学校の屋上でもいいですね。
そのことを思い出すと、いろいろなものがよく見えていたと思います。つまり、高いところは非常に見晴らしがよいということです。
これが戦国時代のお城が高いところにある理由の一つです。
実際、お城の多くは山の上などに建てられており、お城の一番下の部分でもかなり高いところにあります。実際にのぼってみるとよくわかります。ものすごく高いです。そして、実際に高いところは見晴らしがよく、めちゃくちゃ遠くまで見えます。
もう一つの大きな理由
先ほどは「敵が攻めてきたとき」を考えました。逆に、
「自分が攻める側だったらどうか」
を考えてみましょう。
何か運動をするとします。その際、運動をする前はできるかぎり疲れていない方が良いはずです。最初からへとへとの状態で運動をしたらぶっ倒れてしまいます。
そういうわけで、自分が攻める側であれば、できるかぎり体力は残しておきたいと思うはずです。まあ、守る側もそうでしょうが。
逆に言えば、守る側から見ると、「戦いの前からできるかぎり相手を疲れさせておく」のがよさそうです。
さて、山登りをしたことがある人はわかると思いますが、山を登るのは非常に大変です。めちゃくちゃ疲れます。
「サッカーのコートに行くために、いちいち富士山を登らないといけない」とかいうことになった場合、サッカーどころではないですよね。実際、坂をのぼるのは平らな道を歩くのと比べてかなり大変であるという研究データがあります。
したがって、
「お城が高いところにあるのは、お城に行くまでに相手を疲れさせられるから」
というのも大きな理由になりそうです。実際、これがもう一つの大きな理由です。
お城が高いところにあるのは、かなり合理的であるということがわかっていただけたと思います。
補足
なお、もう少しハイレベルな話をすると、お城を見に行ったことがある人はわかるとおもいますが、石落としというものが日本のお城にはあったりします。実際、大坂城、姫路城、熊本城などの有名なお城にもあります。
どうも、石落としといいつつ、実際に石を落としていたのかはよくわからず、そこから鉄砲で撃っていたとか諸説あるようですが、とにかく、攻撃用のものがあったことはたしかです。
「石ってそんなに強いの?」と思われるかもしれませんが、石というよりは岩くらいの大きさだと思って良いと思います。また、単純に石であってもじゅうぶんにかたいです。ドッチボールのボールなんかよりもはるかにかたいです。大体どれくらいの痛さかイメージできると思います。
そして、低いところから高いところには自然には動きませんから、高いところからものを落とすのは理にかなっているわけです。
こういった面でも、高いところにいるメリットがあったことがわかると思います。
なお、海外にも日本の石落としに似たものがあり、「木造櫓」、「出し狭間」などというそうです。
人間、考えることは大体同じなんですね。
まとめ
ここで、
「なぜ戦国時代のお城は、高いところにあるの?」
という例題の答えをまとめておきます。
それは
- 敵を早く見つけるため
- 敵が攻めるのを難しくするため
- 上から攻撃しやすくするため
といえます。
非常に理にかなっていますね。
以上までで、「知っていることをもとに考える」ということの意味が分かっていただけたでしょうか。
おわりに
本記事では、特に小学生くらいの方向けのレベルで、頭を使う問題を解くうえでのコツをお話ししてきました。
ぜひ、日々の勉強に役立てていただければと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。他の記事(特に歴史カードゲームHi!story(ハイスト)の思い)や本家のハイストの方もよろしくお願いします。
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