
大学受験の勉強と大学の勉強の違い
本記事は、主に大学受験を考えている方および、現在の大学生のことを知りたい方向けのものとなっています。
僕自身は理系ではありますが、文系のことも踏まえた上で書いたつもりです。
大学生活のイメージを持っていただけると幸いです。
よろしくお願いします。
受験勉強と大学の勉強
受験勉強の特徴
大学受験のための勉強は、大学入試の試験範囲が基本的に高校までで習う内容であるため、それに沿って行われます。ある意味で教養的な内容がメインです。すなわち、良くも悪くも、大体みんな同じようなことを勉強します。当然、文系か理系かや、選択科目の違い、レベル差などはありますが。イメージとしては、様々な種目のスポーツで同時に競い合うようなものです。
実際、青チャートとか重要問題集とかの「あるあるの教材」で勉強している人は多いと思います。多くの大学では、「そういった定番の教材がどの程度完成させられるか」で勝敗がわかれるような感じがします。すなわち、意外と難関大を受ける人もそうでない人も、同じような教材を使うことが多いような感じがします。
大学の勉強の特徴
一方、大学の勉強というものは高校までと違い専門的になるため、人によってやることがバラバラです。先ほどのスポーツの例で考えると、野球のバッティングのみで勝負するとか、サッカーのフリーキックのみで勝負するようなものでしょうか。教養に力を入れているような大学はまたちょっと違いますが、基本的に学問は細分化されており、かなり特化した教育が行われています。個人的には、受験勉強(高校までの勉強)よりも、専門性に特化した大学での勉強の方が向いていたと思います。選択科目は好きな科目が履修できましたし。具体的には、映画を観て考察する科目を履修したり、専門科目ではありますが、研究とはズレた内容の科目を履修したりしました。高校までは、どうやってもある程度は学習指導要領に沿ったものや受験向けの内容になってしまいますが、大学では授業内容の自由度や選択の自由度がものすごく大きいので、非常に良かったと思います。「受験勉強命」みたいな方もいらっしゃいますし、この点は人それぞれであるとは思いますが。
実際、一口に理系とかいっても、学部によってやることはバラバラです。わかりやすい例としては、医学部と農学部があるでしょうか。前者は医療、後者は農業などをやることになります。また、同じ学部であっても、当然共通の科目はありますが、学科によってもやることはバラバラです。例えば、工学部の中でも情報系の学科と建築系の学科では、やることが全然違いそうだということがイメージできると思います。実際、前者はパソコンでプログラミングを行ったりしている一方、後者は模型をつくったりしています。また、文系では特に文学部が学科による差が大きいと思います。実際、語学をやる人もいれば歴史をやる人もいますし、かまだ君のように、心理学をやる人もいます。さらに、同学部内で最も学科による差が大きいのは、教養学部だと思います。基本的に教養学部では、ゴリゴリの文系学科とゴリゴリの理系学科が共存しています。したがって、学部名だけでは何をやっているのかまったく予想できません。
以上のように、適当に学部や学科を選んでしまうと、思っていたこととまったく異なることをやる羽目になる可能性が高いです。大学名だけでなく、学部学科のことも良く調べてから受験校を決定しましょう。
合う合わないがある
以上で述べた通り、受験勉強と大学の勉強はまったく性質が異なるものです。したがって、受験勉強が上手くいっていたとしても、大学の勉強が上手くいかない可能性は十分にありますし、逆に、受験で結果がふるわなかったとしても、大学の勉強は上手くいく可能性があります。すなわち、仮に受験で思うような結果が得られなかったとしても、大学入学後は上手くいく可能性があります。「人間万事塞翁が馬」というやつです。実際、いわゆる入試難易度にかかわらず結果を出す人はいますし、逆に難関大生であっても就活などで失敗してしまう人もいます。
大学での勉強は軽視されがち
残念なことに、大学での勉強は軽視されがちです。これは、就職活動の早期化などが影響しているのではないかと個人的には思っています。というのも、最近では学部年生や年生から就活することもあるみたいです。なんでそんなことになっているのかがよくわかりませんが、これでは勉強する時間なんてないでしょう。また、単純にたいして勉強しなくても卒業はできてしまうこと、良い成績をとるメリットがあまりないことなども勉強が軽視される原因となっている気がします。ただ、専門的な知識が身につくと特定の分野で活躍できる可能性が大きくなることは事実なので、将来的に役に立たないかどうかはわかりません。
極端な話、大学で学ぶ専門的なことと仕事が全く関係ないのであれば、良いか悪いかは別として、「卒業に必要な分以外は勉強する必要がない」ということになる可能性もありますが、実際は大学で学んだことが仕事に直結することは業種によりますが結構あります。
分かりやすい例としてメーカーがあります。メーカーであれば、大学で専門的な研究に打ち込んだ人は様々な能力が身についているため即戦力となり得ます。ただ、大学で専門としてきたことそのものが仕事で出来ることは稀だといわれています。というのも、研究というものはものすごく細分化されているため、例えば機械工学科といっても、ロボットを実際につくっている人もいれば、プログラムなどを考える人もいるわけです。したがって、なかなかやっていることそのものができることは少ないです。一方、いわゆる基礎科目みたいなものはかなりの確率で役に立つという話を某超大手メーカーの企業説明会でいわれたので、勉強する価値は十分にあると思います。
逆に言えば、特に文系は勉強したことが仕事に直結するということが、理系と比べると少ないのは事実であると思います。文系でも、論理的思考や分析力、文章力などが仕事で活かされることは多いと思いますが、理系ほど実際の仕事と直結した内容のことは身に付きにくいと思います。理系であれば、研究の過程でプログラミングを行ったり解析を行ったりするため、いやでもデータサイエンティストになりますが、文系でそういったことをするということはほとんど聞いたことがありません。したがって、しばしば「大学の勉強は意味がない」とかいう人がいますが、それはおそらく文系の話でしょう。このことが、議論がかみ合わない原因となったりしています。実際はそんなことはまったくないと思いますが。
余談(高校と大学の違い)
この章は余談となりますが、先ほど少し述べた通り、高校と大学では授業だけではなく自由度にかなりの違いがあります。
まず、いわゆる朝礼みたいなものがないです。すぐに授業が始まります。同様に、帰りの会もありません。授業が終わったらすぐに帰ることもできます。次に、自由枠の科目が結構あり(特に教養科目)、上手くいけば好きな内容の科目をたくさん受けられます。また、教材は高校までと比べると不親切なことが多く、内容は面白いですがかなり難しいです。そもそも、高校まではほぼほぼ義務教育みたいな状況ですが(現在の高校進学率はほぼ%)、大学はそういうわけでもないため、前提条件にかなりの違いがあります。さらに、大学生ではサークルやゼミ、バイトなどが盛んなことが多く、成人済みでもあるため、色々なことができるようになっています。高校生でもできないこともないですが、起業する人は結構な確率で大学生です。我々ハイストも、学生が起業した会社です。こういったことも現実的にできるようになってきます。自由な環境の方が向いている人にとって、大学はこれ以上ない環境となり得ます。
以上のように、高校と大学ではかなりの違いがあります。どちらのスタイルがあっているかは人それぞれだと思います。
おわりに
本記事では、受験勉強と大学の勉強の違い及び、高校と大学の違いに関して述べてきました。大学のイメージを持てていただけると幸いです。
個人的に、大学は非常に良い環境であると思うので、ぜひとも良い環境の大学を目指していただけると嬉しく思います。大学で専門性を高めることで、進路の幅が広がり、将来的に学費以上のリターンを得ることも十分可能です。せっかく通うのであれば、専門的なことをしっかりと学ぶのが良いと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。他の記事(特に歴史カードゲームHi!story(ハイスト)の思い)や本家のハイストの方もよろしくお願いします。

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